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3-2 矯正をはじめるきっかけベスト3

- 矯正歯科は歯並びの見た目をなおすところなの?それとも、悪い噛み合わせをなおすところなの? -

矯正歯科に来院される動機は皆さん様々ですが、その中でも、1.乱ぐい歯(叢生)2.出っ歯(上顎前突)3.悪い噛み合わせの3つが特に多いです。その他には、受け口(反対咬合)、開咬、過蓋咬合、交叉咬合、正中離開、空隙歯列等が挙げられます。また、複数の動機が組み合わさっていることも多いです。

乱ぐい歯は前歯によく認められます。また、出っ歯は、前歯が飛び出ている不正咬合です。つまり、乱ぐい歯と出っ歯は、前歯に起こるため、見た目が気になる不正咬合で最たるものです。見た目がコンプレックスとなり、来院のきっかけとなったのでしょう。

受け口も、見た目が気になる不正咬合ですが、発生率が3〜4%と低く、きっかけベスト3には入ってきません。ただし、不正咬合別から見た治療を受けられる率としては、受け口が最も高いです。

悪い噛み合わせですが、うどんが前歯で噛み切れないなど、特定の食物を食べにくい等で自覚されていることもありますが、その場合は意外と少なく、たいていは虫歯治療でかかった歯科医に指摘されたことがきっかけとなっています。現代は、軟らかい食物ばかりなので、歯が全て存在する限り、歯が原因で食事ができないと感じられる人はほとんどいません。また、歯列不正は、ある日突然起こるものではないので、不正の有無で噛み合わせの違いを体感できません。このように、たいていは無自覚なので、歯科医に指摘されても放置される場合も多いようです。しかし、咀嚼不十分による消化器系への過剰負担や不定愁訴との関連性などを考えると健康上問題があり、無視してよいという訳ではありません。このような理由から、悪い噛み合わせだけを気にして矯正治療を始められるかたは少ないです。しかし、通常、他の歯列不正も気にされていますので、きっかけベスト3に入ってきます。

以上より、きっかけを大別すると、『見た目の悪さ』と『噛み合わせの悪さ』の2つになります。言い換えると、審美的および機能的観点から見た動機になるでしょう。患者さん自身は、動機として区別されているかもしれませんが、実は、見た目の悪い不正咬合があると100%噛み合わせにも問題があるのです。つまり、『見た目の悪さ』と『噛み合わせの悪さ』はほぼ等しいと考えてもらって差し支えありません。

矯正相談に来られる方の中に、歯並びや見た目はそこそこで構わないので、健康上の利点がないなら矯正をしたくないという人が時々いらっしゃいます。また、噛み合わせに不自由を感じていないので、見た目だけの矯正はできますかと尋ねられることがあります。どちらの質問も根本的な誤解から発せられていることが、上述した内容から考えて分かって頂けると思います。

つまり、矯正歯科とは、歯並びの見た目を治すと同時に悪い噛み合わせを治すところなのです。そして、正しい矯正治療は必ず健康増進のために役立っているのです。

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